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その日はいつもと違う空気が流れていた。窓の外から聞こえる蝉の声も、なぜかいつもより騒がしく感じられた。エアコンの冷気が肌に触れるたび、鳥肌が立つのを抑えられなかった。

「大丈夫? 無理じゃない?」

陽が心配そうに私の手を握った。その掌はいつもより熱く、少し汗ばんでいた。私も同じくらい緊張しているのだろう。

「うん…大丈夫。陽が望んだことだし」

そう答える私の声は、明らかに震えていた。今夜、私たち夫婦は初めてスワッピングを体験する。相手はスワップ経験豊富な翔さんと彩さん夫婦。都内の高級ホテルのスイートルームが舞台だ。

レストランでのディナー中、翔さんは終始リラックスした様子で、彩さんは私の緊張をほぐそうとしてくれた。でも、グラスに注がれたワインは、喉を通るたびに熱く感じられた。

エレベーターが上昇するにつれ、鼓動はますます早くなった。自分の心音が周囲に聞こえるのではないかと不安になるほどだ。彩さんが優しく肩に触れてくれた。

「初めては誰でも緊張するものよ。でも、きっと楽しい経験になるわ」

部屋に入ると、翔さんは早速シャンパンを開けた。泡立つ黄金の液体がグラスに注がれる音が、妙に官能的に響いた。

「まずは乾杯しましょう。今夜が素敵な夜になりますように」

グラスが触れ合う澄んだ音。冷たいシャンパンが喉を滑り落ち、体内で熱に変わっていくのを感じた。

シャワーを浴びている間、陽は私の体を丁寧に洗ってくれた。普段とは違う、特別なものとして扱われる感覚。指が股間を撫でるたび、思わず息を漏らしてしまう。

「優、すごく濡れてる…」

陽の囁きに顔が熱くなる。自分でもわかっていた。未知の体験への期待と不安が、私をこんなにも興奮させていたのだ。

バスタオル一枚で部屋に戻ると、翔さんと彩さんはそれぞれ別々のベッドに横たわっていた。シャンパンのせいか、少し気分が軽くなっている。

「さあ、優さん。こっちへどうぞ」

翔さんが手招きする。陽に背中を押されるようにして、私は翔さんのベッドに近づいた。バスタオルが床に落ちる音が、部屋に響き渡った。

「きれいな体ですね」

翔さんの指先が鎖骨を撫でる。その触れ方は、陽とは全く違っていた。もっとゆっくりで、意図的に神経を刺激するような…。

「あっ…」

思わず声が漏れた。翔さんは私の反応を楽しむように、今度は乳首を指先でつまんだ。電気が走るような快感が全身を駆け巡る。

一方、陽は彩さんのベッドで、すでに深いキスを交わしていた。彩さんの長い指が陽の胸を撫で下ろし、パンツの上から膨らみを刺激している。

「優さん、もっとリラックスして」

翔さんの唇が首筋に触れた。温かく湿った舌の感触。ゆっくりと下りていき、左の乳房を包み込んだ。

「んっ…」

乳首を舌で転がされる感覚。陽とは違うリズム、違う強さ。新しい刺激に、腰が浮き上がりそうになる。

ふと視線を向けると、陽は彩さんに馬乗りになられ、貪るように乳首を舐められていた。陽の表情は見たことのないほどの快楽に歪んでいる。

「優さんの体、本当に敏感ですね」

翔さんの手が太ももを撫で上がる。指先が割れ目に触れた瞬間、私はびくっと体を震わせた。

「あ…だめ、そこは…」

「もうこんなに濡れていますよ。優さん、本当は楽しみにしていたんでしょう?」

翔さんの指がゆっくりと中へ入っていく。陽よりも太くて長い指。内壁をくまなく探るように動かされる。

「あぁ…違う…そんな…」

今まで感じたことのない深さまで届く感覚。指がぐりぐりと回され、内側から刺激される。

「優さん、すごく締まってますよ。もうすぐイケそうですね」

翔さんの言葉に、ますます恥ずかしさが募る。でも、体は正直に反応し、ますます熱を帯びていく。

ふと見ると、陽は彩さんに覆いかぶさり、激しく腰を動かしていた。ベッドがきしむ音と、肉と肉がぶつかる音が部屋に響く。

「あっ! ああ…もう…だめ…」

翔さんの指の動きが速くなる。もう限界だというのに、逃げ場はない。腰を振って抵抗しようとしても、翔さんはしっかりと私の腰を押さえつけている。

「イッてください、優さん。あなたのイく姿を見たい」

その言葉が最後の引き金になった。腰が跳ね上がり、目の前が真っ白になるほどの快感が襲った。

「ああああん!!」

声が裏返るほどの絶頂。体中の感覚が一点に集中し、爆発するようだった。

「すごいイキ方ですね…」

翔さんは満足そうに微笑み、光る指を舐めた。私の体液を味わうように。

一方、陽も彩さんの中で絶頂を迎えていた。全身を震わせながら、深く挿入したまま射精しているのがわかった。

「さあ、次はこっちですね」

翔さんが私をうつ伏せにさせ、お尻を高く上げる姿勢を取らせた。背後から翔さんの息遣いが近づく。

「優さん、挿入させてもらいます」

グチュっと音がして、熱く硬いものが割れ目に押し当てられた。

「あ…大きい…」

陽よりも明らかに大きい。緊張で体が硬くなるのを感じる。

「大丈夫、ゆっくり入れますから」

翔さんの手が腰を優しく包む。ゆっくりと、しかし確実に中へ入っていく感触。

「うっ…ああ…」

埋め尽くされる感覚。深くまで入りきった時、思わず涙がこぼれた。痛みというより、初めての感覚に圧倒されたのだ。

「動かしますよ」

翔さんの腰が引かれ、再び押し込まれる。ゆっくりとしたストロークが始まった。

「あっ…ああ…」

陽とは違う角度、違う深さ。今まで知らなかった場所を刺激されるたび、新しい快感が生まれる。

「優さん、気持ちいいですか?」

翔さんの声も少しうわずっている。腰の動きが次第に速くなり、力強くなっていく。

「はい…ああ…すごい…」

ベッドのきしみ音と、肉のぶつかり合う音。汗の匂いと体液の匂いが混ざり合い、ますます興奮が高まっていく。

「優、見て…」

陽の声に目を向けると、彩さんにまたがられ、再び勃起したペニスを挿入されていた。二人ともすぐに二回戦を始めていたのだ。

「ああ…陽も…ああん!」

その光景を見た瞬間、私の中でも新たな熱が湧き上がった。夫が他の女性と交わる姿は、想像以上に興奮を誘うものだった。

「優さん、もっと締まってきましたよ」

翔さんの腰の動きが激しさを増す。毎回、最深部まで突き刺さるようなストローク。子宮口を直接刺激されるようで、たまらなかった。

「もう…だめ…またイク…あああん!」

二度目の絶頂が襲った。体中の筋肉が収縮し、翔さんのペニスを強く締め付ける。

「優さん、私も…」

翔さんの声が苦悶に満ちている。腰の動きが不規則になり、最後の一突きで深く止まった。

「あっ…熱い…」

中で脈打つ感触。溢れ出る熱い液体。夫以外の男性の精液を受け入れるという事実に、不思議な充足感に包まれた。

しばらく二人で息を整えた後、翔さんは優しくペニスを抜き、私を抱き上げてくれた。

「お風呂に入りましょう」

シャワーを浴びていると、陽と彩さんも入ってきた。四人で狭いシャワールームにいるのは照れくさいが、どこか自然な感じがした。

「優、楽しかった?」

陽が耳元で囁く。その目は、以前よりも輝いているように見えた。

「うん…でも、まだ終わりじゃないでしょ?」

私の言葉に、陽は驚いたように目を丸くした。そして、ゆっくりと笑みを浮かべた。

「そうだね。今夜はまだまだ長いから」

ベッドに戻ると、今度はパートナーを交換した。彩さんの柔らかな体に覆われながら、私は陽が翔さんにまたがる姿を見つめた。

夫の目が快楽に曇り、知らない声を上げるのを見て、また新しい興奮が湧き上がってくるのを感じた。

この特別な夜は、まだまだ続いていくのだろう。新しい扉を開けた私たち夫婦の関係も、きっとこれからさらに深まっていくに違いない。