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その日、私は自分がこんなにも淫らな女になるとは思ってもみなかった。パート先の飲み会で、颯斗と隣り合わせになったのがすべての始まりだった。颯斗は28歳、バツイチで営業部のエース。明るくて、何よりあの笑顔が眩しすぎて、つい目で追ってしまう自分がいた。37歳、結婚して14年、子供も二人いる主婦の私に、そんなことを考える資格なんてないのに。

「莉子さん、今日はすごく綺麗だね」

二次会の小さなバーで、颯斗が囁くように言った。アルコールが回っていたとはいえ、胸が高鳴った。夫からそんな言葉をかけられたのは、いったいいつ以来だろう。夫とのセックスは形だけのものになり、ここ数年はほとんどなかった。女として見られていないことへの寂しさが、じわじわと心を蝕んでいた。

「颯斗くん、そんなこと言わないでよ。私、年上だし…」

「年齢なんて関係ないよ。莉子さんの、この優しさに惹かれてるんだ」

彼の手が、こっそりとテーブルの下で私の膝に触れた。ぞくっとした電流が走る。ダメだ、これはいけない。でも、その温もりが離れがたくて、私は微かに膝をすり寄せてしまった。

ホテルまでの道のりは、記憶がぼやけている。彼の車の中、シートに深く沈みながら、窓の外を流れる街灯が、非現実的な光の帯に見えた。「まだ帰れる」という理性と、「もっと知りたい」という欲望がせめぎ合う。エレベーターの中で、彼が私の手を握った。その力強い手のひらに、すべてを委ねたくなった。

部屋のドアが閉まる音が、不意に現実を突きつける。緊張で足が震えていた。颯斗は優しく私を抱き寄せ、額にキスをした。

「怖がらせないから。ゆっくりでいいんだよ、莉子さん」

彼の囁きに、少しだけ心が軽くなった。彼は私の唇を求め、ほんのりとワインの香りがしたその口づけは、夫のそれとは全く違う、甘くてじんわりと蕩けるようなものだった。舌がそっと入ってきて、私の受け身だった舌を誘い、絡め取る。じっとりとした唾液の音が、部屋に響く。私はもう、背徳感よりも、この官能の渦に飲み込まれていくことしか考えられなかった。

彼の手が私のブラウスのボタンを外し、スカートのファスナーを下ろす。下着だけになった時、ふと我に返った。両手で胸を隠し、もう一方の手でパンツを押さえる。

「だめ…やっぱりだめだよ、颯斗くん。ここまでで…」

「大丈夫。莉子さんは、もう『いいよ』って言ってるんだよ。身体が、すごく熱くなってる」

彼は私の手を優しく握り、胸を覆う手を解いていく。力が抜けてしまう。パンツの端を掴まれ、ゆっくりと下ろされていく感触。つま先まで脱がされた時、私はもう、人妻でも母親でもない、ただの女だった。恥ずかしさで顔を覆うと、颯斗がそっと手を取った。

「隠さないで。莉子さん、全部見せてよ。すごく綺麗だよ」

彼はベッドに導き、私の脚を広げた。何年も他人に見せたことのない場所を、まじまじと見つめられる恥恥しさで、全身が火照る。彼の顔が近づき、股間に感じる吐息。そして、柔らかい唇が、恥唇に触れた瞬間、身体を鋭い電流が走った。

「あっ…!やめて、舐めないで…」

抗議の声は、すぐに喘ぎに変わった。彼の舌は、クリトリスをくっきりと浮かび上がらせ、しとどに舐め上げる。くちゅくちゅと淫らな音が響く。じわじわと快感が蓄積され、子宮のあたりが熱く疼いてくる。私は無意識に腰を浮かせ、彼の口尻を押し付けてしまっている。

「莉子さん、すごく濡れてるよ。もっと、って言ってよ」

「そんな…言えない…あん!」

彼はクリトリスを口で咥え、激しく吸い上げながら、指を一本、私の奥へと滑り込ませた。ぎゅっと締まりながらも、受け入れる膣内。もう一本の指が加わり、くぢくぢと音を立てて掻き回される。そのリズムに合わせて、腰が自然と動く。

「イク…イクよ!だめ、こんなに早く…イクの!」

「イッていいよ、莉子さん。思いっきりイッて」

彼の言葉で、堤防が決壊した。視界が白く染まり、身体中を痙攣が走る。大量の愛液が溢れ出し、シーツを濡らした。力が抜け、脚を大きく開いたまま、恍惚とした時間が流れる。

「今度は僕を気持ちよくして」

彼は仰向けに寝た。私は言われるがまま、彼の股間に顔を寄せた。フェラチオは得意ではない。夫にも滅多にしなかった。でも、颯斗の勃起したペニスは、力強く脈打っていて、なぜか惹かれる。恐る恐る舐めると、彼が呻いた。

「すごいよ、莉子さん…その舌使い、たまらない」

褒められて、調子に乗ってしまった。亀頭を舐め、咥え、精液の匂いを満喫する。そんな自分がいた。彼は私の体をひっくり返し、69の体勢にした。私の股間が彼の目の前に晒され、再び彼の舌が襲いかかる。

「あ!だめ、そんな姿勢…恥ずかしい…」

「莉子さんの、ここがよく見える。もっと咥えてよ」

快感と羞恥で、理性が崩壊していく。彼のペニスを深く咥え込み、腰をくねらせながら、彼の舌の刺激に身を委ねた。

そして、いよいよ彼は私の上に覆い被さった。硬く熱いペニスの先端が、濡れそぼった入り口に当たる。じわりと圧迫を感じ、私は最後の抵抗を試みた。

「入れたら…本当に浮気だよ。やめて、お願い…」

「じゃあ、こうしてるだけにするね」

彼は挿入せず、亀頭でクリトリスをこするだけだ。くちゅくちゅと音を立て、愛液が絡み合う。たまらない快感で、腰が浮いてしまう。

「気持ちいい?」

「…うん、気持ちいい」

「ほんの少しだけ、先っぽだけ入れてみよう?それなら、浮気じゃないから」

私は彼の甘い言葉に負けた。「少しだけ…」そう呟くと、彼はゆっくりと亀頭を押し込んだ。じんわりと広がる感覚。気がつけば、半分以上が入り込んでいた。

「あ…入ってる…だめ、抜いて…」

「もう遅いよ。莉子さんの中、すごく気持ちいい。締まってる」

彼は腰を動かし始めた。最初は浅く、そして次第に深く、激しく。奥子宮口をグリグリと抉られるたびに、私は声を上げずにはいられなかった。彼は私の乳首を咥え、しゃぶりながら囁く。

「旦那さんとは、どっちが気持ちいい?」

「颯斗くんの方が…大きいし、気持ちいい…ああ!」

罪悪感が、逆に興奮を煽る。正常位から、騎乗位に変えられ、自分で腰を振ることを強要される。見つめられる恥ずかしさと、自主的に浮気を受け入れているという事実に、私はまたイってしまった。その後、バックにされ、お尻を叩かれながら、獣のような体位で犯される。その都度、激しい絶頂が訪れた。

「イク…中に出したい…どこに出す?」

「外に…お願い、外に出して!」

「でも、莉子さんの中が一番気持ちいいんだよ」

彼は私の腰を強く抱き締め、深く深く突き立てたまま、ドピュッと熱い液体を注ぎ込んだ。膣の奥で脈打つ彼のペニスを感じ、私もまた痙攣するようにイった。

しばらく二人で息を整え、結合したまま抱き合っていた。彼が抜くと、白濁液が大腿部に伝うのを感じた。

「中に出しちゃった…危険日なのに」

「大丈夫。莉子さんは、僕のものだよ」

その言葉に、私はまた甘えてしまった。シャワーも浴びず、そのまま二度目に突入した。朝方まで、私たちは尽きることのない欲望のままに絡み合った。

あれから三ヶ月が経った。私は颯斗のものになり、週に一度はあのホテルで逢瀬を重ねている。夫は相変わらず無関心で、気づくことはない。今日も、颯斗の腕の中で、激しく喘いだばかりだ。

「莉子さん、離れたくないな」

「私も…ずっとこうしていたい」

弄ばれているのか、愛されているのか。その答えはわからない。でも、この背徳の快楽から、もう離れられない。彼に捨てられる日が来るのが怖いけど、今この瞬間だけは、この温もりに溺れていたい。だって、私はこんなにも、女として生き返ってしまったのだから。